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しろ@自由帳

日常

   

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おたく的クリスマスの過ごし方。

ルルーシュ以外がナチュラルにおたくです。
詳しい設定は『おたくな彼氏はどうですか』シリーズ参照でよろしこです。

OK?


手伝おうか?というこの上なく甘い囁き一つで、カレンのクリスマスは、リア充女子ですら羨むであろう『美男子に囲まれて過ごす』というネオロマンスか!と突っ込まれてもおかしくないシュチュエーションに決定した。ゲームと違うところは、自分にも相手にも琴線に引っかかるものが全くなく、女子がカレン一人なわけでもなく、ついでに一人をのぞきみんながみんな重度のおたくだと云うことくらいだろう。
指先にくっついたトーンカスをウェットティッシュで拭き取っていると、温かいミルクティーのカップが目の前に置かれる。ソーサーに添えられた美しい指先――――間違ってもカレンのようにトーンカスが付いていたり、爪がインクで汚れてたりはしない――――を上へ上へと辿っていけば、ネオロマンスで云う公式の本命キャラのような青年が、ん、と顎を動かした。
なんという細顎。女の子みたい。
そんな感想は胸中にしまい込んで、カレンはありがとうと云ってから、カップに口を付けた。多めのミルクとシナモンの香りが、凝り固まった心を解いていく。美味しい。原稿を終えた今だからこそ、これほど飛び抜けて美味しく感じるのだろうけど、それを差し引いても、そんじょそこらの喫茶店なんかより美味しい。それが、何も云わずとも出てくるなんて、しかも同時に目の保養が出来るなんて、

(あー、)

ふぅ、とカップから唇を離して、

「しあわせ」
「そうか。それは良いんだが、何でお前がウチにいるんだ? しかも、そんな大荷物で」
「スザクがコピー本手伝ってくれるっていうんで。私んチはおかーさんもいるし、ファミレスは店員の眼が気になるしどうしようって云ったら、僕の方にくればいいって」
「その云い方だと、まるで俺の方がおまけみたいだが、家主は俺だ」

ひくっ、と頬を引きつらせてもネオロマなルルーシュが、自身のマグを片手に主張する。
が、そんなことはカレンには関係なく、

「文句なら、あんたの彼氏に云いなさいよ。それに、この状態であーだこーだ云われても、」
「あーっはっはっはっはっ! だっせぇーリヴァルっ!」
「だーーーーっ! 笑うなっつーのっ! おまっ、ジノこそ自分の顔を鏡で見てみろっつーんだ!!」
「説得力なんて欠片も、」
「あらあら。お二人とも、まるでチワワとポメラニアンの喧嘩のようですわね」
「…………猛毒。」
「ないw」
「たっだいま~! 最後のコピー、とってきたよカレン!」
「aよぅ――――って、お疲れ~スザク。サンキュー」
「いやいやいや、全てはカレンの為入場チケットの為。こんなのお安いご用でありますです!」
「あら。スザクったら今回はカレンから分けて貰うんですのね」
「だって、ユフィ達のはジノ達にもってかれちゃったしさぁ…………」
「人聞きの悪いこと云うなよ。じゃんけんで負けたのはスザクの方だろ~?」
「そうなんだけどねぇ……」
「そういうわけで、ほら、次は製本よ。ぼさっとしない!」
「カレン、容赦ないな」
「チケット分は働いて貰うわ。当然でしょ?」

とても一度に運べる量じゃない印刷物を抱えて帰宅したスザクに、きびきびと指示を出す。
原稿は無事上がったとはいえ、製本しないことには完成しない。
カレンは持参したホッチキスの芯の残り数を確認しながら、マグを持ったまま口を付けようとしないルルーシュを振り返って、「手が空いてるなら、あんたも手伝ってよ」と云った。
そこにはネオロマンスな美貌の青年ではなく、悟りを開いた仏のような人間が突っ立っているだけだった。



**********

続く?かも。

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